ヒンヤリとして美しくて、とても哀しい映画だった。

多数派の偏見は閉鎖的な空間で生まれ、複雑で屈折した力に変化する。対抗的に発生した形態は、悪しき存在として認識され抑圧的に処理される。 状況は違えど、身に覚えありな感じだ。しかしセックスをあんなに綺麗に描写するなんて、なんと素晴らしい作品か

世界の終わりと僕の始まり

長らく読書から遠ざかっていた。退廃的に過ごしていた23歳、冬の話だ。 複雑な理由で大学進学がダメになり、悲観的に大阪に出てきた僕は、内容の無い生活を、ただダラダラと何年か過ごした。 僕自体を構成する本質的な要素が、決定的に欠けていると、自覚し…